規制のサンドボックス制度（略称：サンドボックス）のコンセプトは、“まずやってみる”ということ。例えばモビリティに関わる事業です。
新しい乗り物や、既存の乗り物の新しい使い方の提案は、現行法律でなかなか区分けが難しいため、結果的に現行法が新事業創出の足かせになってしまいます。
それを規制のサンドボックス制度を活用することで、どのように現行法の解釈から脱し、事業化へ進めるられるかの実証実験を特区制度などを使いやってみるということになります。
電動キックボードのシェア事業と道路交通法及び道路運送車両法の例は、電動キックボードは、現行規制上、原動機付自転車として取り扱われているため、
車道しか走ることができません。加えて、電動キックボードを公道で利用するためには、車体にバックミラーやナンバープレートを付ける必要があります。
加えて免許を携帯した上でヘルメットを着用するといった条件も満たさなければならず、現行規制のままで普及させるにはハードルが高い状況になります。
国土交通省、警察庁、内閣府が仕切って、この地域だけ特別に実証実験を行うことで、何が問題なのか、法律をどう準用していくかなどデータを収集していきます。
企業側にも、政府のお墨付きでの実証ができPR効果も出るというメリットもあります。

弊所の企業様からの相談事例として、トレーラーハウスやキャンピングカーなどを利用した宿泊とシェアエコノミーの事業に関することが多くあります。
移動しながらその場所場所で宿泊施設を貸し出したい。とかある時は賃貸住宅、ある時はホテルとしてとか。既存法令に反するのか、またどれに当てはまるのか
その場合の許認可要件は何？などのお問い合わせが増えてきています。
また、最近ではFintech関連のご相談。大きな話から、地方活性のために地域通貨を創設するなど金融関連の登録や資金決済法に絡む話と旅行業営業許可まで
といったお話もあります。規制はあるが、今後はどうしていくかなど、経済産業省が窓口になって問い合わせや、サンドボックス制度を利用して試行することなどを
決めていっています。その申請書類作成なども行政書士が行うことが可能です。

弊所がよく取り扱う事例として、特区民泊という言葉がありますが、「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」が正確な名称です。
文字通り特別な地域を設定し、ある程度の規制や設備要件は備えるが「旅館業法」の例外として扱うとうことが法の仕組みです。事例としては大阪や東京大田区などが有名です。
現状はコロナでインバウンド需要が激減しているので少しトーンダウンしています。とはいえ、遊休不動産、空き家対策としては非常に有効な制度だと思います。
ただし、すべてがうまくいくものではなく現状抱えている問題として、消防法令、都市計画法、空き家に関しては、相続や登記の問題、建築基準法、税金の問題など一つの事業を行うのに
様々な検証すべき点が多いことと改正をするなら、国民が便利に使えるシステムを構築する必要があります。

行政書士法第一条には「この法律は，行政書士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより，行政に関する手続の円滑な実施に寄与し，あわせて，国民の利便に資することを目的とする。」（第1条）とあります。
”国民の利便に資すること”とは何かといえば、憲法で保証されている国民の権利利益を最大に活用し、社会に貢献できる状態を助けることではないかと考えています。弊所が手掛ける「トレーラーハウス事業」も
法律がない、条例がないという中でどうやって現行法上の範囲内で着地点を見出すことが必要になってきます。弊所の場合、役所と話し合いと交渉を行い、役所内でも検討をしていただき折り合いをつけていく
常に社会実験的な要素があり、今後はこうしてはいかがですかとか、こういった書類をもって担保すればいいのではないですかなどと依頼者や行政担当にお話をすることがあります。
そもそも行政書士は”代書屋”、”書類作成のプロ”というだけではなく、書類作成の方法や必要性など制度を確立させていくことの事務のプロであることを認識しなければなりません。
ぜひとも、新規事業があるんだけどどうやってやればとかお悩みであればぜひとも見晴らし坂行政書士事務所をお尋ねください。